AIによる
地盤調査結果の予測
データ不足へのアプローチ
土質や地盤強度などの地盤情報はウェブサイト上で一般公開されていますが、時間的、経済的、物理的な理由により限られた地点での調査に留まっています。
当社は、地盤情報データベースを含む既存の地盤調査結果をAIに学習させることで、地盤調査が行われていない地点の地盤情報を高精度に予測するAI技術を開発しています。
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地盤調査の現状
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地盤強度を示すN値の測定には、一般的にボーリング調査と呼ばれる標準貫入試験を行いますが、費用や施工スペース等の理由からボーリング調査の実施が困難な場合は、スクリューウェイト貫入試験(旧スウェーデン式サウンディング試験、以下SWS試験)により換算N値を算出します。
構造物建築時にはこうした地盤調査が欠かせませんが、地盤情報が必要になるケースはほかにもあります。液状化ハザードマップの作成が一例ですが、現状、公開されているハザードマップは地盤調査結果をもとに液状化の可能性を評価したものであり、地盤調査が不十分な地域においてその精度は決して高いとはいえません。実際、液状化危険度の低いとされていた地域で液状化が発生した事例もあり、より高精度な地盤情報の把握が必要となっています。
AIを用いて未知点の地盤情報を予測することで、災害時のリスクをより高精度に評価し、将来起こりうる災害へのより確実な事前対策が可能となります。
未知点の地盤調査結果をAIで予測
当社では、標準貫入試験の結果をAIを用いて予測します。予測地点周辺の地盤調査結果をAIに学習させ、地盤調査が行われていない地点のN値や土質、地下水位を予測します。
AIに多くのデータを取り込むことで、これまで技術者の主観や経験則に頼っていた推定値の算出をより高精度なものとします。
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予測結果の活用例
AIを用いて予測した地盤情報をもとに液状化ハザードマップや土砂災害ハザードマップを作成します。これまで地盤調査不足のためハザードマップの作成が困難だった地点においても、将来の地震や大雨の際のリスク評価が可能となります。